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プロジェクトマネジメント

WBSとは?抜け漏れなく、細かすぎない作り方

チッピー編集部

プロジェクトを始めるとき、やることを一覧にしようとしても、どこまで細かく書けばいいのか分からない。作ってはみたものの、1か月後には誰も見ていない。WBSでよくあるつまずきです。

WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトでやることを、完成させるものから逆算して小さな作業に分けた一覧のことです。日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。WBSを作ると、やることの抜け漏れに気づけるようになり、誰が・いつまでに・何をするのかを決める土台ができます。

この記事では、WBSの意味と役割を説明したうえで、抜け漏れなく、しかも細かすぎない作り方を順番に紹介します。最後に、作ったあとに使われなくなるのを防ぐコツも紹介します。

WBSとは?何のために作るのか

プロジェクトの最初は、やることが頭の中にぼんやりあるだけの状態です。「サイトを作り直す」「新しい評価制度をつくる」と言っても、その中には何十もの作業が含まれています。WBSは、それを目に見える形に分けて並べるための道具です。

WBSを作る目的は、大きく3つあります。

  • 抜け漏れを防ぐ:分けて並べることで「これを誰もやっていなかった」に早く気づける
  • 担当と期限を決める:作業が小さく分かれていれば、一つひとつに担当者と期限を付けられる
  • 進み具合を測る:何が終わって何が残っているかが分かるので、遅れに早く気づける

WBSはスケジュール表そのものではありません。まず「何をやるか」を洗い出すのがWBSで、それを時間の上に並べたものがガントチャートなどのスケジュールです。順番を逆にして、いきなり日付を入れた表を作ろうとすると、やることの洗い出しが甘くなります。

WBSの作り方:完成の形から分けていく

WBSは、作業を思いつくままに並べるのではなく、最後にできあがるものから上から下へ分けていくと、抜け漏れが少なくなります。

1. 完成したときに「できているもの」を書く

最初に、プロジェクトが終わったときに手元にあるものを書き出します。サイトのリニューアルなら「新しいサイト」「更新の手順書」「旧サイトからの転送設定」のように、形のあるもので書くのがコツです。作業ではなく、成果物で考えます。

2. 成果物ごとに、それを作るのに必要なものに分ける

次に、一つひとつの成果物を、それを作るために必要な部品に分けます。「新しいサイト」なら、「ページの構成」「原稿」「デザイン」「実装」「確認」などです。ここでも、まだ細かい作業ではなく、まとまりで分けていきます。

3. いちばん下を、担当と期限が付けられる大きさの作業にする

最後に、いちばん下の段を具体的な作業にします。「トップページの原稿を書く」「お問い合わせフォームの動きを確かめる」のように、動詞で書ける大きさまで分けます。

どこまで細かく分けるか:1人・1週間が目安

WBSでいちばん迷うのが、どこまで細かく分けるかです。細かすぎると更新が追いつかず、粗すぎると抜け漏れや遅れに気づけません。目安になるのは次の2つです。

  • 1人で担当できる:複数の人で分担する作業は、担当があいまいになる。1つの作業に担当者は1人にする
  • 1週間くらいで終わる:それより長い作業は、途中で遅れていても気づけない。長いものはもう一段分ける

反対に、数時間で終わるような作業まで書き出す必要はありません。それは担当者が自分の手元で管理すれば十分です。WBSはチームで共有するための一覧なので、チームで確かめる必要がある粒度でそろえます。

WBSで抜け漏れやすい作業

WBSを作っても、次のような作業は抜けやすいので、意識して確かめてください。

  • 確認と修正の時間:作ったものを関係者に見てもらい、直す時間。ここを入れ忘れると、締切の直前に詰まる
  • 決めてもらう時間:上の人の承認や、関係部署の合意を取る時間
  • 準備と片付け:必要な情報や素材を集める作業、終わったあとの引き継ぎや手順書づくり
  • 関係者への連絡:社内への案内、お客様への告知など、プロジェクトの外に伝える作業

特に引き継ぎは、プロジェクトが終わる直前に慌てて行われがちです。最初からWBSに入れておくと、担当者が変わっても止まらずに済みます。考え方は担当者が異動しても、プロジェクトを止めない「残し方」。でも紹介しています。

作ったWBSを使い続けるために

WBSは、作って終わりにすると意味がありません。よくあるのは、立ち上げのときに丁寧に作ったのに、1か月後には誰も開いていない、という状態です。使い続けるために、次の3つを決めておきます。

  1. WBSを最初の打ち合わせでそろえる:関係者全員で見て、抜けている作業がないかを確かめる。キックオフで決めておくことと一緒に確かめると効率的です
  2. 定例で見る場所を1つに決める:毎週の定例でWBSを開き、終わったもの・遅れているものを確かめる
  3. 更新する人を決める:誰が直してもよい表は、誰も直さない表になりがち。更新する担当を1人決める

途中でやることが増えたら、WBSに足してから着手する習慣をつけます。WBSに無い作業が増えていくと、それが遅れの原因になっても見えなくなります。プロジェクトが止まる理由については社内プロジェクトが止まる、3つの理由。で詳しく紹介しています。

まとめ

WBSは、プロジェクトでやることを、完成させるものから逆算して分けた一覧です。成果物から上から下へ分け、いちばん下は「1人・1週間」で終わる大きさにそろえる。確認や承認、引き継ぎのような抜けやすい作業も最初から入れておく。そして、定例で見て、担当者が更新する。この流れで作れば、WBSは立ち上げの資料で終わらず、最後まで使える道具になります。


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WBSのいちばん下は、「1人・1週間」で終わる大きさにそろえます。
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