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PMの基本

社内プロジェクトが止まる、3つの理由。

チッピー編集部

「やる」と決めて始めたはずのプロジェクトが、気づけば止まっている。定例の会議は開かれているのに、先月と同じ話をしている。そんな状態に、心当たりはないでしょうか。

止まっている理由をたずねると、「みんな忙しいから」「担当者の意欲が足りないから」という答えがよく返ってきます。けれど、意欲を理由にした対策、たとえば「もっと主体的に動いてほしい」と伝えることで、プロジェクトが動き出すことはほとんどありません。

止まっているのは、人のやる気ではなく、進むための条件が欠けているからです。そして欠けている条件は、たいてい3つのどれかです。

やる気のせいにすると、打つ手がなくなる

「意欲の問題」と考えると、打てる手は、励ますか、注意するかくらいしか残りません。どちらも一時的には効いても、数週間たつと元に戻ります。

一方で、止まっている原因を「条件」として見ると、打つ手が具体的になります。決める人がいないなら、決める人を置く。締切があいまいなら、名前と日付をつける。時間がないなら、時間をつくるか、人を足す。条件なら、変えられます。

まずは、自分たちのプロジェクトにどの条件が欠けているのかを見極めるところから始めます。

理由1:決める人が、その場にいない

いちばん多い止まり方です。会議には人が集まっているのに、誰も決められない。決める権限を持つ人が参加していないか、参加していても「持ち帰って検討します」で終わってしまう。

こんなサインが出ていたら

  • 同じ議題が、2回以上の会議にまたがっている
  • 会議の最後が「では、各自で検討を」で終わる
  • 決まったはずのことが、上の人の一言でひっくり返る

最初の一手

決める人を会議に呼ぶのが、いちばんの近道です。それが難しければ、決める人と事前に「この範囲なら、担当者が決めてよい」という線を握っておきます。金額の上限や、変えてはいけない条件を先に決めておけば、その内側は会議の場で決められます。

キックオフの段階で決める人を名前で決めておくと、この止まり方はかなり防げます(→ キックオフで、これだけは決めておく5つのこと。)。

理由2:締切が、誰のものでもない

「今期中に」「来月あたりに」。こうした言い方は、締切のように見えて、締切ではありません。誰が、いつまでに、何を出すのかが人と結びついていないと、締切は少しずつ後ろへ動いていきます。

こんなサインが出ていたら

  • 予定表に、担当者の名前が入っていない行がある
  • 「〇〇チームで対応」のように、人ではなく部署の名前が書かれている
  • 遅れていることに、締切の当日まで誰も気づかない

最初の一手

やることの一覧を見直して、すべての行に「名前」と「日付」を入れます。部署の名前しか書けない行は、まだ担当が決まっていないということです。

そのうえで、出ていなかったときにどこで気づくのかも決めておきます。週に1回の定例で、その週が締切のものだけを確かめる。これだけで、遅れは締切の当日ではなく、1週間前に見つかるようになります。

理由3:手を動かす人の時間が、確保されていない

決める人がいて、締切もはっきりしている。それでも止まるときは、実際に手を動かす人の時間が足りていないことがほとんどです。通常業務と兼務でプロジェクトを任されている場合に、特によく起こります。

こんなサインが出ていたら

  • 担当者のカレンダーに、プロジェクトのための時間が1つも入っていない
  • 作業が進むのが、決まって夜か週末
  • 繁忙期になると、プロジェクトの話題が定例から消える

最初の一手

週の中に、プロジェクトのための時間を予定として先に入れます。そして上司と「このプロジェクトのあいだ、何をやめるか」を決めます。仕事を1つ足すなら、どこかで1つ減らさないと続きません(→ 兼務のプロジェクトが、通常業務に負け続けないために。)。

それでも時間が足りないなら、手を動かす役割を外に任せることも、選択肢に入れます。

3つの理由は、つながっている

3つの理由は、別々に起きるとは限りません。むしろ、つながっていることのほうが多いものです。

決める人がいないと、判断を待つあいだ、締切が宙に浮きます。締切があいまいだと、担当者の中でそのプロジェクトの優先度が下がり、時間が確保されなくなります。時間が取れず準備が進まないと、決める人に判断の材料を出せず、また決められない。こうして、1つの欠けが次の欠けを呼び、止まった状態が続きます。

逆に言えば、どれか1つを埋めるだけで、止まっていたものが動き出すこともあります。

どこから手をつけるかは、3つの問いで分かる

3つのうち、どれから手をつければいいのか。迷ったら、次の3つの問いを、プロジェクトに関わる人たちに投げてみてください。

  1. 意見が割れたとき、最後に決めるのは誰ですか
  2. 次の締切はいつで、誰が何を出しますか
  3. 今週、このプロジェクトに何時間使えますか

答えがすぐに出てこなかった問いや、人によって答えが違った問いが、いま欠けている条件です。答えが食い違ったところから埋めていくのが、いちばんの近道です。

条件を整えるのも、プロジェクトを進める人の仕事

決める人を場に呼ぶ。名前と日付を入れる。時間をつくる。どれも、一つひとつは難しいことではありません。ただ、これを通常業務の合間に、社内の人どうしで進めるのは、思ったより骨が折れます。上の人に「決めてください」と頼むのも、同僚に「この日までにお願いします」と念を押すのも、気をつかうからです。

止まったプロジェクトを動かすのに必要なのは、やる気を上げることではなく、進むための条件を一つずつ整えることです。その役割を担う人がいるかどうかで、プロジェクトの進み方は大きく変わります。


おまかせPMは、決める人はいるけれど進める人がいない、というときに、プロジェクトを進める役割ごとお引き受けするサービスです。止まっているプロジェクトがあれば、どこで止まっているのかの整理から、ご相談ください。