PM NOTE
記事
採用がうまくいかないとき、プロジェクトとして見直すこと
求人を出しても、思うような人に出会えない。媒体を変えてみても、状況はあまり変わらない。採用がうまくいかないとき、原因は募集のやり方ではなく、採用の進め方にあることがよくあります。採用をひとつのプロジェクトとして見直すときのポイントを整理します。

採用がうまくいかないとき、最初に疑われるのは求人媒体や、求人票の書き方です。もちろんそこに原因があることもあります。けれど、媒体を変えても、文面を直しても、状況が変わらないことは少なくありません。
そういうときは、採用を「募集の作業」ではなく「ひとつのプロジェクト」として見直すと、止まっている場所が見えてきます。目的があり、関わる人がいて、期限があり、途中で振り返りながら進める。採用も、プロジェクトの進め方がそのまま当てはまる仕事です。
採用が「作業」になっていると、うまくいかない
採用が作業として扱われているとき、よく見られる状態があります。
- 求人を出すことが目的になっていて、出したあとの流れを誰も見ていない
- 人事の担当者がひとりで抱えていて、現場の人は面接の日だけ呼ばれる
- 「いい人がいたら」と言われていて、いつまでに何人という形になっていない
- 不採用や辞退が続いても、理由を振り返る場がない
どれも、担当者の頑張りが足りないから起きているわけではありません。採用を進めるための決めごとが、そもそも置かれていないことが原因です。プロジェクトが止まる理由とよく似ています(→ 社内プロジェクトが止まる、3つの理由。)。
見直すこと1:求める人物像を、関わる人でそろえる
採用がうまくいかない理由で、いちばん多いのがここです。人事、現場の責任者、経営者が、それぞれ別の人を思い浮かべたまま、選考が進んでいます。
こんなサインが出ていたら
- 一次面接で通した人が、二次面接で「思っていた人と違う」と言われる
- 不採用の理由が、面接官によってばらばら
- 求人票の「求める人物像」が、誰にでも当てはまる言葉になっている
最初の一手
関わる人を集めて、「この人が入社して半年たったとき、どんな仕事をしていてほしいか」を話し合います。経験年数や資格のような条件から入るのではなく、入社後の場面から考えると、人によって思い浮かべていた姿の違いがはっきりします。
そのうえで、「これがないと難しい」ことと、「あればうれしい」ことを分けて書き出します。必須の条件が多すぎると、合う人がいても応募の段階で離れてしまいます。
見直すこと2:誰が、どこまで責任を持つのかを決める
採用には、思っている以上に多くの人が関わります。求人を出す人、応募を確かめる人、面接の日程を組む人、面接をする人、合否を決める人、内定を伝える人。この流れのどこかに担当のいないすき間があると、そこで応募者が止まります。
こんなサインが出ていたら
- 応募から最初の連絡までに、何日もかかっている
- 面接のあと、合否を決めるのに1週間以上かかる
- 選考の途中で辞退する人が多い
最初の一手
応募から内定までの流れを1枚に書き出し、それぞれの段階に担当者の名前と、何日以内に進めるかの目安を入れます。とくに大事なのは、合否を決める人を名前で決めておくことです。決める人があいまいなままだと、ほかの会社に先に決められてしまいます。
面接をする現場の人には、「何を見てほしいのか」を前もって伝えておきます。忙しい中で急に面接を頼まれると、その場の印象だけで判断しがちになるからです。
見直すこと3:期限と、途中の目安を置く
「いい人がいたら採りたい」は、期限のないプロジェクトと同じです。急ぐ理由がないので、選考は後回しになり、判断も先送りになります。
こんなサインが出ていたら
- 募集を始めてから、何か月たったのか誰も答えられない
- 応募は来ているのに、面接に進む人がほとんどいない
- 採用できていないことが、会議の話題にのぼらない
最初の一手
「いつまでに、何人」を決めます。そのうえで、途中の目安を置きます。たとえば、月に何人と面接できていれば間に合うのか。応募の数、面接に進んだ数、内定を出した数、承諾してもらえた数を、毎週同じ形で見られるようにしておくと、どこで止まっているのかが早く分かります。
数字は、うまくいっていないことを責めるために見るのではありません。打つ手を決めるために見ます。応募が少ないなら届け方を、面接に進む人が少ないなら書類で見ている基準を、辞退が多いなら選考の速さや伝え方を見直します。
見直すこと4:振り返りの場を、先に予定に入れる
採用は、一度で正解にたどり着くことのほうが少ない仕事です。だからこそ、途中で振り返り、やり方を変えていくことが欠かせません。
最初の一手
関わる人が集まる短い場を、2週間に1回など先に予定に入れておきます。話すことは3つだけで十分です。
- この2週間で、どこまで進んだか
- どこで止まっているか、それはなぜか
- 次の2週間で、何を変えるか
不採用や辞退の理由も、ここで共有します。「条件が合わなかった」で片づけずに、どの段階で、何が合わなかったのかを残しておくと、求める人物像や伝え方を直す手がかりになります。言いにくいことほど、この場で早めに出せるようにしておくことが大切です(→ プロジェクトが止まる本当の理由は、「言いにくさ」にある。)。
採用を始める前に、キックオフをする
ここまでの4つは、採用を始める前にまとめて決めておくのがいちばん楽です。関わる人が一度集まり、何のために採用するのか、どんな人を求めているのか、誰が何を担当するのか、いつまでに何人か、いつ振り返るのかを確かめ合います。
新しいプロジェクトを始めるときのキックオフと、やることはほとんど同じです(→ キックオフで、これだけは決めておく5つのこと。)。最初に30分から1時間かけておくと、途中で「思っていたのと違う」と言われる回数がぐっと減ります。
まとめ:採用は、進め方で結果が変わる
採用がうまくいかないときは、媒体や文面を変える前に、採用をひとつのプロジェクトとして見直してみてください。
- 求める人物像を、関わる人でそろえる
- 応募から内定までの流れに、担当と目安の日数を入れる
- 「いつまでに、何人」と途中の目安を置く
- 振り返りの場を、先に予定に入れる
どれも特別なことではありません。ただ、通常の業務と並行して、人事の担当者ひとりで進めるには負担が大きいのも事実です。採用の流れ全体を見て、段取りを回す人がいるかどうかで、同じ媒体、同じ求人でも結果は変わってきます。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。採用のように、大事なのに担当者ひとりに任されがちな取り組みがあれば、どこで止まっているのかの整理から、ご相談ください。
採用がうまくいかないときは、媒体を変える前に、進め方を見直します。