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採用広報とは?始めるときに最初に決めること
採用広報を始めたいけれど、何を書けばいいのか、どこで発信すればいいのか分からない。始めてみたものの、数か月で止まってしまった。そんな声をよく聞きます。採用広報の意味と、始めるときに最初に決めておきたいこと、続けるための体制を整理します。

採用広報とは、自社で働くことに興味を持ってもらうために、会社の仕事や人、働き方の情報を、求職者に向けて発信し続ける取り組みです。求人を出したときだけ情報を届けるのではなく、ふだんから会社のことを知ってもらい、「この会社で働いてみたい」と思う人を少しずつ増やしていくことが目的です。
始めようと思っても、「何を書けばいいのか」「どこで発信すればいいのか」「誰がやるのか」で止まってしまうことがよくあります。この記事では、採用広報と求人広告の違いを説明したうえで、始めるときに最初に決めておきたい5つのことと、続けるための体制、よくあるつまずきを紹介します。
採用広報と求人広告の違い
採用広報と求人広告は、どちらも求職者に向けた発信ですが、役割が違います。
- 求人広告:いま募集している仕事の条件を伝え、応募してもらう。募集の期間だけ出す
- 採用広報:会社のことを知ってもらい、興味を持ってもらう。募集していない時期も続ける
求人広告で伝えられるのは、仕事の内容、給与、勤務地といった条件が中心です。けれど、求職者が本当に知りたいのは、「どんな人と、どんな雰囲気で、どんなふうに働くのか」であることが少なくありません。こうした条件では伝わらない部分を補うのが、採用広報の役割です。
よく似た言葉に採用ブランディングがあります。採用ブランディングは、会社として求職者にどう見られたいかを決め、それに沿って発信や採用活動をそろえていく考え方です。採用広報は、その中で実際に情報を届ける活動にあたります。
始めるときに最初に決める5つのこと
1. 誰に届けるのか
最初に決めるのは、届けたい相手です。「すべての求職者」ではなく、自社で活躍してほしい人をできるだけ具体的に描きます。どんな仕事をしていて、何に困っていて、次の職場に何を求めているのか。相手がはっきりすると、何を書けばよいかも決めやすくなります。届けたい相手の描き方は、採用ペルソナの作り方。求める人物像を言葉にするで紹介しています。
2. 何を伝えるのか
次に、伝える中身を棚卸しします。採用広報で伝えたい中身は、おおまかに次の5つに分けられます。
- 仕事:実際にどんな仕事を、どんな流れでしているのか。一日の過ごし方、ある案件の始まりから終わりまで
- 人:どんな人が働いているのか。入社の理由、いまの仕事のやりがい、苦労したこと
- 働き方:会議の進め方、意思決定のしかた、学ぶ機会、休みの取り方
- 会社の向かう先:何をめざしている会社なのか。これから何に力を入れるのか
- 合わないこと:この会社に向いていない人、大変なところ
見落とされがちなのが、最後の「合わないこと」です。よいところだけを並べると、入社してから「思っていたのと違った」と感じる人が増えます。大変なところも正直に書いておくと、それでも働きたいと思う人が集まり、入社後のずれが小さくなります。
3. どこで届けるのか
発信する場所は、届けたい相手がふだん情報を得ている場所から選びます。自社のサイトの採用ページ、ブログやnoteのような記事の場、SNS、説明会やイベントなど、選択肢はいくつもあります。
最初からすべてに手を出す必要はありません。まずは、情報を置いておく場所(自社サイトや記事の場)を1つと、人に届ける場所(SNSなど)を1つに絞ります。置き場所があると、面接の前に読んでもらったり、スカウトの文面にリンクを添えたりと、採用のほかの場面でも使えるようになります。
4. どのくらいの量で続けるのか
採用広報は、続けることで効いてくる取り組みです。最初に意気込んで毎日発信しても、数週間で止まってしまえば、更新の止まったページが残るだけです。
量は、無理なく続けられるところから決めます。たとえば、記事は月に1〜2本、SNSは週に1〜2回、といった具合です。続けられることが分かってから、少しずつ増やしていきます。
5. 何で手ごたえを確かめるのか
始める前に、何を見て手ごたえを確かめるのかも決めておきます。採用広報は効果が見えにくいので、決めておかないと「やっている意味があるのか」が分からなくなりがちです。
- 記事やページが読まれた数
- 応募やカジュアル面談の申し込みの数
- 面接で「記事を読みました」と言われた数
- 入社した人に、入社前に何を見ていたかを聞いた結果
とくに、面接や入社した人から直接聞く声は、数字だけでは分からない手ごたえを教えてくれます。施策を打ったあとに振り返る習慣は、マーケティング施策が「やりっぱなし」で終わる理由で紹介している考え方がそのまま使えます。
続けるための体制
採用広報が止まる理由のほとんどは、担当者ひとりに任されていることです。ネタ探しも、取材も、文章づくりも、発信もひとりで抱えると、忙しい時期にまっさきに後回しになります。続けるために、次のような分担を決めておきます。
- まとめ役:発信の予定を立て、全体の進み具合を見る人。人事の担当者が受け持つことが多い
- ネタを出す人:各部署から1人ずつ、話題になりそうな出来事や、取材してほしい人を教えてもらう
- 確かめる人:公開する前に、内容に問題がないかを見る人。経営者や管理職
ネタ集めの型
「何を書けばいいか分からない」を防ぐには、ネタを集める仕組みを先につくっておきます。たとえば、月に1回の定例で、各部署から次のような話を1つずつ出してもらいます。
- 最近うまくいった仕事と、そのとき工夫したこと
- 新しく入った人が、最初に驚いたこと
- お客様から言われてうれしかった言葉
- チームで新しく始めたこと、やめたこと
こうした話は、どれもそのまま記事やSNSの投稿の種になります。取材は、話を聞く人を決めて30分ほど時間をもらえば十分です。
たとえば:最初の3か月の進め方
記事を月に2本、SNSを週に1回のペースで始める場合の、最初の3か月の一例です。
- 1か月目:届けたい相手と伝える中身を決め、置き場所をつくる。最初の記事は「会社がめざしていること」と「ある社員の一日」の2本
- 2か月目:各部署からネタを集め、社員の紹介記事と仕事の流れを伝える記事を1本ずつ書く。SNSでは記事の紹介と、日々の小さな出来事を発信する
- 3か月目:読まれた数や面接での反応を振り返り、よく読まれた種類の記事を増やす。この会社に合わない人について正直に書いた記事も1本入れる
3か月たつと、記事が6本ほどたまります。この数があれば、面接の前に「このあたりを読んでおいてください」と案内できるようになり、採用広報が選考の中でも役に立ち始めます。
社員紹介の記事で聞くこと
社員紹介はいちばん書きやすく、読まれやすい記事です。取材では、次のような質問を用意しておくと、その人らしさが出やすくなります。
- 入社を決めたとき、最後の決め手になったのは何か
- 入社してみて、思っていたのと違ったことは何か
- いまの仕事で、いちばん手ごたえを感じた場面はどこか
- どんな人と一緒に働きたいか
2つ目の「思っていたのと違ったこと」は、よい面も大変な面も出てくる質問です。読む人にとって、いちばん信頼できる情報になります。
よくあるつまずき
募集が始まってから慌てて始める
採用広報は、効いてくるまでに時間がかかります。募集を始めてから記事を書き始めても、間に合わないことがほとんどです。募集の予定がない時期から、少しずつ積み上げておくことが大切です。
会社の自慢ばかりになる
受賞歴や業績のような会社の自慢を並べても、求職者にとっては「自分がそこでどう働くのか」が見えません。働く人の目線で、仕事の中身や日々の場面を伝えることを優先します。
社員の協力が得られない
取材やネタ出しを頼んでも、協力してもらえないことがあります。採用広報が何のためにあり、どんな人に来てほしいのかを社内にも伝え、出てきた記事を社内でも共有すると、協力が得られやすくなります。社員にとっても、自分たちの仕事が言葉になるのはうれしいものです。
まとめ:採用広報は、続けることで効いてくる
- 採用広報は、条件では伝わらない「どんな人と、どう働くか」を届ける取り組み
- 誰に・何を・どこで・どのくらい・何で確かめるかの5つを最初に決める
- よいところだけでなく、合わないことも正直に伝える
- 置き場所と届け場所を1つずつに絞り、続けられる量から始める
- 担当者ひとりに任せず、ネタを出す人と確かめる人を決める
採用広報は、ひとつの記事で劇的に変わるものではありません。少しずつ積み上げた情報が、やがて「この会社で働きたい」という人との出会いにつながっていきます。採用全体の進め方を見直したいときは、採用がうまくいかないとき、プロジェクトとして見直すこともあわせて読んでみてください。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。採用広報を始めたいけれど、進める人がいないときは、何から手をつけるかの整理から、ご相談ください。
採用広報は、条件では伝わらない「どんな人と、どんなふうに働くのか」を届ける取り組みです。