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ペルソナとは?作り方と、作りっぱなしにしない使い方
ペルソナをつくったものの、資料の中に眠ったままになっている。そもそも、どこまで細かく描けばいいのか分からない。ペルソナは、つくり方と使い方しだいで、施策の判断を大きく助けてくれる道具です。実際の人に話を聞いてつくる方法と、使い続けるこつを整理します。

ペルソナとは、商品やサービスを届けたいお客様を、ひとりの具体的な人物として描いたものです。年齢や業種のような属性だけでなく、どんな場面で、何に困っていて、どうやって情報を集め、何を決め手に選ぶのかまで描きます。チームの全員が同じお客様を思い浮かべながら、言葉や届け方を決められるようにするための道具です。
ペルソナは多くの会社でつくられていますが、つくったまま使われずに終わることも少なくありません。この記事では、ペルソナとターゲットの違いを説明したうえで、実際の人に話を聞いてつくる手順、ペルソナに書く項目、作りっぱなしにしない使い方、よくあるつまずきを順番に紹介します。採用で使うペルソナについては、採用ペルソナの作り方。求める人物像を言葉にするで紹介しています。
ペルソナとターゲットの違い
よく似た言葉に、ターゲットがあります。2つは、描く細かさが違います。
- ターゲット:届けたい相手の「層」。たとえば「従業員50〜300人の会社で、人事を担当している人」
- ペルソナ:その層の中の「ひとりの人」。どんな一日を過ごし、何に困り、どんな言葉で悩みを話すのか
ターゲットは、誰に届けるかの範囲を決めるのに役立ちます。けれど、範囲だけでは「どんな言葉なら響くのか」「どのタイミングで何を伝えればよいのか」が決めにくいままです。ペルソナまで描くと、相手の目線で考えられるようになり、言葉や届け方の判断がしやすくなります。誰に届けるかを決めるマーケティングの基本は、マーケティングとは?売り込みとの違いと基本の考え方で紹介しています。
ペルソナは、実際の人に話を聞いてつくる
ペルソナづくりでいちばん大切なのは、机の上の想像だけでつくらないことです。社内で話し合うだけだと、自分たちに都合のよいお客様像になりがちです。実際のお客様や、お客様になってほしい人に話を聞くところから始めます。
1. 話を聞く人を選ぶ
まずは5人前後に話を聞くことを目標にします。次のような人を混ぜると、偏りが少なくなります。
- 長く使ってくれている、満足度の高いお客様
- 最近使い始めたばかりのお客様
- 比べた結果、ほかを選んだ人や、検討をやめた人
とくに3つ目の人の話は、選ばれなかった理由が分かる貴重な材料です。営業の担当者に、話を聞かせてもらえそうな人を紹介してもらうと進めやすくなります。
2. 場面を聞く質問を用意する
話を聞くときは、意見ではなく、実際にあった場面を聞きます。「どんな機能があればいいですか」と聞くと、思いつきの答えが返ってきます。「最後に困ったのはいつ、どんなときでしたか」と聞くと、本当の困りごとが見えてきます。
- ふだん、どんな仕事をしていますか。一日の流れを教えてください
- この困りごとに最初に気づいたのは、どんな場面でしたか
- そのとき、まず何をしましたか。誰に相談し、何で調べましたか
- いくつか比べたとき、何が決め手になりましたか
- 決める前に、いちばん心配だったことは何ですか
- 使い始めてみて、思っていたのと違ったことはありますか
答えの中に出てきた言葉は、できるだけそのまま書き留めておきます。お客様が実際に使う言葉は、あとで広告や記事の言葉を決めるときにそのまま役立ちます。
3. 共通するところを探して、ひとりにまとめる
話を聞き終えたら、聞いた内容を並べて、何人かに共通する困りごとや、決め手、心配ごとを探します。くり返し出てくるものが、ペルソナの芯になります。それをひとりの人物としてまとめます。
聞いた人たちの困りごとが大きく2つに分かれるなら、ペルソナを2人つくってもかまいません。ただし、多くても3人までにします。数が増えると、どのペルソナに合わせて考えればよいかが分からなくなります。
ペルソナに書く項目
ペルソナには、次のような項目を書きます。大切なのは、上の属性よりも、下の行動や気持ちの項目です。
- 基本の情報:仕事、立場、会社の規模など。商品を選ぶうえで関係のあるものだけ
- ふだんの仕事と一日の流れ:何に時間を使っていて、どこで手が止まりやすいか
- 困っていること:お客様自身の言葉で書く
- いまの解決のしかた:困りごとに対して、いまどうしているか。なぜそれで満足していないか
- 情報の集め方:誰に相談し、何で調べるか
- 決め手と心配ごと:選ぶときに何を重視し、何が不安で踏み切れないか
- 一緒に決める人:上司や他部署など、選ぶときに意見を聞く人
会社向けの商品やサービスでは、最後の「一緒に決める人」がとくに大切です。担当者が気に入っても、上司や経理の担当者が納得しなければ決まりません。担当者のペルソナに加えて、決める人がどんなことを気にするのかも書き添えておきます。
書き方の例
たとえば、社内の勤怠や申請をまとめて管理するサービスを売る会社なら、ペルソナは次のように書けます。あくまで書き方の例です。
- 仕事と立場:社員数十人の会社で、総務と人事をひとりで担当している
- 一日の流れ:午前は社員からの問い合わせ対応、午後は申請書の確認と入力。月末は締め作業で残業が続く
- 困っていること:「紙とメールで申請が届くので、どこに何があるか分からなくなる」
- いまの解決のしかた:表計算ソフトで一覧をつくっているが、更新が追いつかない
- 情報の集め方:同じ立場の知り合いに聞く。言葉で検索して、比べている記事を読む
- 決め手と心配ごと:決め手は「社員が迷わず使えるか」。心配は「入れたあと、自分ひとりで設定や問い合わせに対応できるか」
- 一緒に決める人:社長。費用と、入れたあとの手間を気にする
ここまで書くと、たとえばサイトの見出しは機能の一覧より「申請がどこにあるか、すぐ分かる」のほうが響きそうだ、社長向けには入れたあとの手間を説明する資料が要りそうだ、といった判断ができるようになります。
話を聞くときのこつ
話を聞く時間は、1人30分から1時間ほどで十分です。聞き手は2人にして、1人が質問し、もう1人が記録すると、聞き漏らしが減ります。商品の説明や売り込みは、聞き取りの場ではしません。お客様が「こう答えたほうがいいかな」と気をつかうと、本当の困りごとが出てこなくなるからです。
作りっぱなしにしない使い方
ペルソナは、つくったあとに使う場面を決めておかないと、資料の中に眠ったままになります。次のような場面で使うことを、先に決めておきます。
- 言葉を決めるとき:広告やサイトの見出しを、ペルソナが困りごとを話すときの言葉に近づける
- 届け方を決めるとき:ペルソナが情報を集める場所に合わせて、発信する場所を選ぶ
- 施策を考えるとき:「このペルソナは、この施策を見てどう思うか」を会議で一度問う
- 営業や問い合わせ対応で:ペルソナの心配ごとに先回りして答える資料を用意する
おすすめは、会議の資料の1枚目にペルソナを置くことです。毎回目に入るだけで、話がお客様の目線に戻りやすくなります。
ペルソナを見直す
お客様の状況は変わっていきます。半年から1年に一度、新しく話を聞いて、ペルソナがいまのお客様に合っているかを確かめます。施策を振り返るときに、「ペルソナの想定と違った反応」が出ていないかを見るのも、見直しのきっかけになります。施策の振り返り方は、マーケティング施策が「やりっぱなし」で終わる理由で紹介しています。
よくあるつまずき
属性ばかりで、行動と気持ちがない
年齢、性別、趣味といった属性をいくら細かく書いても、言葉や届け方を決める手がかりにはなりません。何に困り、どう調べ、何を決め手にするのかという、行動と気持ちを中心に書きます。
理想のお客様を描いてしまう
「こんなお客様に来てほしい」という願いでペルソナをつくると、実際のお客様とずれていきます。願いではなく、話を聞いた事実をもとに描きます。
つくる人と使う人が違う
マーケティングの担当者だけでつくったペルソナは、営業や商品をつくる人に使われないことがあります。つくる途中で営業の担当者にも話を聞いてもらったり、できあがったペルソナを一緒に読んだりして、全員の道具にしておきます。
まとめ:ペルソナは、お客様の目線に戻るための道具
- ターゲットは「層」、ペルソナは「ひとりの人」
- 机の上で想像せず、5人前後の実際の人に場面を聞いてつくる
- 属性より、困りごと・情報の集め方・決め手・心配ごとを中心に書く
- 言葉・届け方・施策・営業で使う場面を、先に決めておく
- 半年から1年に一度、話を聞き直して見直す
ペルソナは、きれいな資料をつくることが目的ではありません。迷ったときに、お客様の目線に戻るための道具です。使われ続けるほど、言葉や届け方の判断がそろっていきます。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。お客様の声を集めて施策に生かしたいけれど、進める人がいないときは、何から手をつけるかの整理から、ご相談ください。
ペルソナは、きれいな資料をつくることが目的ではなく、迷ったときにお客様の目線に戻るための道具です。