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マーケティングとは?売り込みとの違いと基本の考え方
マーケティングを始めようと言われたけれど、何をすればいいのか分からない。広告やSNSのことだと思っていたら、もっと広い話のようだ。マーケティングという言葉はよく聞くけれど、意味をはっきり説明するのは意外と難しいものです。基本の考え方と進め方を整理します。

マーケティングとは、誰の、どんな困りごとを、どうやって解くのかを決め、それを必要としている人に届けて、選んでもらうまでの一連の仕事です。広告を出すことや、チラシをつくることは、その中のほんの一部にすぎません。「何を、誰に、どう届けるか」を考えるところから、マーケティングは始まっています。
この記事では、マーケティングの意味を、売り込みとの違いから説明します。そのうえで、なぜ大事なのか、基本の進め方、始めるときによくあるつまずきを順番に紹介します。
マーケティングと売り込みの違い
マーケティングという言葉は、「宣伝」や「売り込み」と同じ意味で使われることがあります。けれど、2つは出発点が違います。
- 売り込み:いまある商品から出発する。「これをどうやって買ってもらうか」を考える
- マーケティング:相手の困りごとから出発する。「この人は何に困っていて、何があれば助かるか」を考える
売り込みは、商品がすでに決まっていることが前提です。マーケティングは、そもそも誰に向けて、どんな商品やサービスを用意するのかを決めるところから関わります。相手の困りごとにぴったり合っていれば、強く売り込まなくても「ちょうどこれが欲しかった」と選んでもらえます。それが、マーケティングがめざす状態です。
なぜマーケティングが大事なのか
良い商品やサービスをつくれば、自然と売れていく。そう考えたくなりますが、実際にはそうはなりません。次のようなことが、よく起こります。
- 中身は良いのに、必要としている人に知られていない
- 知られてはいるけれど、自分に関係があるものだと思われていない
- 興味を持ってもらえても、ほかと比べたときの違いが伝わらない
- 一度は買ってもらえても、続けて選んでもらえない
どれも、商品そのものの良し悪しではなく、相手との間をつなぐ仕事が足りていないことが原因です。マーケティングは、このつなぎ目を一つずつ整える仕事だと言えます。
マーケティングで決める3つのこと
マーケティングの考え方は、たくさんの手法や用語で説明されます。ただ、土台にあるのは次の3つの問いです。
1. 誰の:届けたい相手を決める
「すべての人に」は、誰にも届かないのと同じです。年齢や業種のような条件だけでなく、「どんな場面で、何に困っている人か」まで描きます。相手がはっきりすると、言葉の選び方も、届け方も決めやすくなります。
2. どんな困りごとを:相手が本当に困っていることを知る
こちらが思っている困りごとと、相手が実際に困っていることは、ずれていることがよくあります。いちばん確かなのは、実際に話を聞くことです。いまどうしているのか、何が面倒なのか、なぜ変えていないのか。数人に聞くだけでも、机の上で考えていたときには出てこなかった言葉が見つかります。
3. どう解くか:選ばれる理由をつくる
相手の困りごとに対して、自分たちは何を、どう解決できるのかを言葉にします。大事なのは、ほかの選択肢と比べたときに選ばれる理由があることです。値段なのか、手軽さなのか、安心感なのか。全部で勝とうとせず、「この点なら、私たちを選んでもらえる」という一点をはっきりさせます。
マーケティングの基本の進め方
3つの問いに答えたら、実際に届けて、選んでもらうところまでを進めます。流れはおおまかに次のとおりです。
- 相手と困りごとを決める:話を聞き、誰の何を解くのかを言葉にする
- 伝えることを決める:相手の言葉で、何が解決できるのかを一文で言えるようにする
- 届け方を決める:相手がふだん情報を得ている場所を選ぶ。検索、紹介、展示会、SNSなど
- 目的と、測る数字を決める:問い合わせの数、資料の請求数など、何が増えたら前に進んだと言えるかを先に決める
- やってみて、振り返る:小さく試し、数字と相手の反応を見て、言葉や届け方を直す
この流れは、一度で終わるものではありません。試して、振り返って、直す。この繰り返しがマーケティングの毎日です。期限と担当を決めて回していく点は、プロジェクトの進め方とよく似ています(→ プロジェクトマネジメントとは?基本の考え方と進め方)。
よくあるつまずき
手段から決めてしまう
「SNSを始めよう」「広告を出そう」と、手段から入ってしまうのがいちばん多いつまずきです。誰に何を伝えるのかが決まっていないまま手段を選ぶと、投稿や広告の中身が定まらず、成果も測れません。手段は、相手と伝えることが決まってから選びます。
相手に話を聞かずに決める
社内の会議だけで相手の姿を決めると、自分たちに都合のよい想像になりがちです。お客様や、お客様になってほしい人に、直接話を聞く時間をとります。
やりっぱなしで、振り返らない
施策を打っても、結果を振り返らなければ、次に何を変えればいいのかが分かりません。始める前に、何を測るか、いつ振り返るかを予定に入れておきます。
担当者ひとりに任せきりにする
マーケティングは、商品をつくる人、営業をする人、お客様と話す人の協力がないと進みません。担当者ひとりに任せると、現場の声が届かず、社内の動きともずれていきます。新しい事業を立ち上げるときも同じで、関わる人を巻き込んで進めることが欠かせません(→ 新規事業の立ち上げで、最初の3か月にやること。)。
まとめ:マーケティングは、相手から始める
マーケティングとは、誰の、どんな困りごとを、どう解くのかを決めて、必要な人に届け、選んでもらうまでの仕事です。売り込みとの違いは、商品からではなく、相手の困りごとから考え始めることにあります。
- 届けたい相手を、場面まで描く
- 相手に話を聞いて、本当の困りごとを知る
- 選ばれる理由を、一点に絞って言葉にする
- 目的と測る数字を先に決め、試して、振り返って、直す
どれも一度で終わる仕事ではありません。続けて回していく人と仕組みがあるかどうかで、同じ商品でも届き方は大きく変わります。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。マーケティングの取り組みを始めたいけれど、進める人がいないときは、何から手をつけるかの整理から、ご相談ください。
マーケティングは、売りたい商品からではなく、相手の困りごとから始まります。