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ガントチャートとは?作り方と、作りすぎない使い方
ガントチャートを作ったのに、数週間で誰も見なくなった。細かく作り込んだぶん、変更のたびに直すのが大変になった。ガントチャートは便利な道具ですが、作り方と使い方を間違えると、すぐに置き去りになります。基本の作り方と、作りすぎずに使い続けるこつを整理します。

ガントチャートとは、プロジェクトの作業を縦に並べ、それぞれの作業をいつからいつまでやるのかを横向きの棒で表した表のことです。横軸が日付、縦軸が作業になっていて、全体の流れと、作業どうしの重なりや順番がひと目で分かります。
便利な道具ですが、細かく作り込みすぎると、更新が追いつかなくなって誰も見なくなる、ということもよく起こります。この記事では、ガントチャートの基本と作り方、作り込みすぎない使い方、カンバンなどほかの道具との使い分けを順番に紹介します。
ガントチャートで分かること
ガントチャートを見ると、次のことが分かります。
- 全体の期間:プロジェクトがいつ始まり、いつ終わる予定なのか
- 作業の順番:どの作業が終わったら、次の作業に取りかかれるのか
- 重なり:同じ時期に、どの作業が同時に進むのか。同じ人に作業が集中していないか
- 節目:途中で何を、いつまでに決めたり出したりするのか
とくに価値が大きいのは、作業の順番と重なりです。文字の一覧ではつかみにくい「この作業が遅れると、あとの何に響くのか」が、棒のつながりで見えるようになります。
ガントチャートの作り方
1. 作業を洗い出して、分ける
最初に、プロジェクトでやることを洗い出し、ちょうどよい大きさに分けます。目安は、1人の担当者が数日から1〜2週間で終えられる大きさです。分け方の考え方は、WBSとは?抜け漏れなく、細かすぎない作り方で詳しく紹介しています。ガントチャートは、WBSで分けた作業に日付を入れたもの、と考えると分かりやすくなります。
2. 作業どうしのつながりを決める
次に、どの作業がどの作業のあとでないと始められないのかを決めます。つながりにはいくつかの種類がありますが、実務でまず押さえたいのは次の2つです。
- 終わったら始める:前の作業が終わってから、次の作業を始める。「原稿が仕上がったら、デザインに入る」など。いちばんよく使うつながり
- 同時に始める:前の作業が始まったら、次の作業も始められる。「調査を始めたら、並行して関係者への聞き取りの日程も組む」など
つながりを決めておくと、ある作業が遅れたときに、どこまで影響するのかを追えるようになります。
3. 期間と担当者を入れる
作業ごとに、どれくらいかかるのか、誰が担当するのかを入れます。期間は、担当者本人に見積もってもらうのがいちばん確かです。ほかの仕事と兼ねている人の場合は、作業そのものの時間ではなく、実際に手をつけられる時間で見積もります。
4. 節目(マイルストーン)を置く
途中の大事な区切りを、節目として置きます。「案を決める日」「試しに使ってもらう日」「関係者に報告する日」などです。節目は棒ではなく、日付の点で表します。節目があると、遅れに早く気づけるうえ、関係者と「どこまで進んだか」を話しやすくなります。
5. 遅れてはいけない道筋を見つける
作業のつながりをたどると、最初から最後までの道筋がいくつか見えてきます。そのうち、いちばん時間のかかる道筋に乗っている作業は、1日遅れるとそのままプロジェクト全体の終わりが1日遅れます。この道筋はクリティカルパスと呼ばれます。どの作業がこの道筋に乗っているのかを分かっておくと、人や注意をどこに集めればよいかがはっきりします。

たとえば:社内イベントの準備の場合
2か月後に社員向けのイベントを開く準備を、ガントチャートにするとします。最初に置く行は、次のくらいの大きさで十分です。
- 企画を決める(1週目〜2週目)→ 節目:企画の決定
- 会場を探して押さえる(企画の決定のあと・2週間)
- 登壇者に依頼する(企画の決定のあと・2週間。会場探しと同時に進める)
- 案内文をつくって送る(会場と登壇者が決まってから・1週間)→ 節目:案内の送付
- 当日の進行と役割を決める(案内の送付のあと・2週間)
- 前日の準備と当日(最終週)
このとき、「企画を決める → 会場 → 案内 → 進行」の道筋が、いちばん時間のかかる道筋になっています。企画が1週間遅れれば、そのまま当日の準備まで1週間押されます。一方、登壇者への依頼は会場探しと同時に進むので、数日遅れても全体には響きません。どこに余裕があり、どこに余裕がないのかが分かると、遅れたときにどこから手を打てばよいかがはっきりします。
案内文の中身や当日の細かな役割分担までは、最初から書き込みません。その時期が近づいてから、必要な細かさに分けていきます。
作り込みすぎない使い方
ガントチャートでいちばん多い失敗は、最初に細かく作り込みすぎて、更新が追いつかなくなることです。数百行のガントチャートは、作った人にしか読めず、少しの変更で大きく崩れます。次のような使い方を心がけると、続けて使える道具になります。
近い先は細かく、遠い先はおおまかに
先のことほど、分からないことが多くなります。今月と来月の作業は細かく分け、それより先は大きなまとまりのまま置いておきます。近づいてきたら、そのつど細かく分けていきます。
見るのは「つながり」と「節目」だけ
ガントチャートで毎週確かめるのは、節目に間に合いそうか、遅れているつながりはないか、の2つで十分です。一つひとつの作業の細かな進み具合は、別の道具で見たほうが楽なことが多くあります。
最初の計画を残しておく
計画を変えるたびに上書きしていくと、どれだけずれたのかが分からなくなります。最初に合意した計画を残しておき、いまの計画と並べられるようにしておくと、振り返りのときに役立ちます。
更新する人と日を決める
「みんなで更新する」は、誰も更新しないのと同じです。更新する人を1人決め、週に1回など更新する日を決めます。担当者は進み具合をその人に伝え、更新はまとめて行います。
定例では3つだけ聞く
毎週の定例でガントチャートを開いたら、確かめるのは次の3つです。
- 次の節目に、予定どおり間に合いそうか
- 遅れている作業はあるか。それは遅れてはいけない道筋に乗っているか
- 来週、同じ人に作業が重なっていないか
この3つに答えが出れば、その週の定例でガントチャートを使う目的は果たせています。
カンバンとの使い分け
ガントチャートとよく比べられるのが、仕事をカードにして列で管理するカンバンです。2つは得意なことが違います。
- ガントチャートが向いている:期限が決まっていて、作業の順番が大事なプロジェクト。イベントの準備、システムの入れ替え、制度の切り替えなど
- カンバンが向いている:次々に仕事が入ってきて、順番が日々変わる仕事。問い合わせ対応、記事づくり、日々の改善など
実務では、両方を組み合わせることもよくあります。全体の流れと節目はガントチャートで押さえ、今週の細かな作業はカンバンで回す、という使い方です。カンバンの使い方は、カンバンとは?チームの仕事を見える化する方法で紹介しています。
よくあるつまずき
道具選びに時間をかけすぎる
専用のツールを比べているうちに、肝心の計画づくりが進まないことがあります。最初は表計算ソフトで十分です。行と期間とつながりが書ければ、ガントチャートの役目は果たせます。使い続けて足りないところが見えてから、道具を見直します。
計画を立てた日がいちばん正しい日になる
ガントチャートは、作った瞬間から少しずつ現実とずれていきます。ずれること自体は失敗ではありません。問題なのは、ずれたまま放っておくことです。毎週の更新で、ずれを早めに見つけて手を打ちます。
余白を入れていない
すべての作業をぎりぎりの期間で並べると、どこか1つが遅れただけで全体が崩れます。確認や手直しの時間、関係者の返事を待つ時間を、あらかじめ入れておきます。
担当者が見ていない
PMだけが見ているガントチャートは、ただの予定表になってしまいます。定例会議で画面に映し、担当者と一緒に節目とつながりを確かめる時間をつくります。
まとめ:ガントチャートは、つながりと節目を見る道具
ガントチャートとは、作業を縦に、期間を横に並べて、プロジェクトの流れを表した表です。
- 作業を分け、つながり・期間・担当者を入れ、節目を置く
- 遅れてはいけない道筋(クリティカルパス)を見つけて、注意を集める
- 近い先は細かく、遠い先はおおまかに。作り込みすぎない
- 更新する人と日を決め、最初の計画も残しておく
- 日々の細かな作業はカンバンと組み合わせてもよい
ガントチャートは、きれいに作ることより、毎週見て手を打つことに価値がある道具です。続けて使える細かさで作ることが、いちばんのこつです。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。スケジュールを立てても回らないときは、どこで止まっているのかの整理から、ご相談ください。
ガントチャートは、きれいに作ることより、毎週見て手を打つことに価値がある道具です。