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生成AIを業務で使う。社内ルールと始め方
社員が生成AIを使い始めているけれど、会社としてのルールはまだない。何を決めればいいのか、どこから始めればいいのか分からない。そんな声をよく聞きます。生成AIを業務で使うときに決めておきたい社内ルールと、無理なく始める進め方を整理します。

生成AIを業務で使うことは、もう特別なことではなくなりました。文章の下書き、会議のメモの整理、アイデア出し、調べものの入り口。うまく使えば、毎日の仕事の手間をぐっと減らせます。
一方で、会社として使い始めるときには、決めておかないと困ることがいくつかあります。何を入れてよいのか。出てきたものを誰が確かめるのか。どの仕事から使い始めるのか。この記事では、生成AIを業務で使うときの社内ルールの考え方と、始め方を順番に紹介します。
生成AIとは?業務で使うときに知っておきたいこと
生成AIとは、文章や画像などを、指示に応じて新しくつくり出すAIのことです。質問に答えたり、文章を要約したり、下書きを書いたりできます。
業務で使うときに押さえておきたいのは、次の2つの性質です。
- もっともらしい間違いをすることがある:事実と違う内容を、自信のある言い方で返すことがあります。出てきたものは、そのまま正しいとは限りません
- 入れた情報の扱いは、サービスや設定によって違う:入力した内容がどう保存され、どう使われるかは、使うサービスや契約の形で変わります
この2つを踏まえると、社内ルールで決めるべきことが見えてきます。「入れてよいもの」と「確かめ方」です。
なぜ社内ルールが必要なのか
ルールがないまま使われ始めると、次のどちらかになりがちです。
- 人によって使い方がばらばらで、知らないうちに入れてはいけない情報が入力されている
- 何が許されているのか分からないので、誰も使わない
どちらも、会社にとってもったいない状態です。ルールは、使うことを止めるためではなく、安心して使えるようにするために置きます。「ここまでは自由に使ってよい」がはっきりしていると、使う人も迷わずに済みます。
社内ルールで決めておく4つのこと
1. 使ってよいサービスと、その設定
会社として使うサービスを決めます。同じサービスでも、個人向けと法人向けで、入力した内容の扱いが違うことがあります。どのサービスを、どの契約で、どの設定で使うのかを決め、それ以外は業務で使わないことにしておくと、管理がしやすくなります。サービスの規約や設定は変わることがあるので、最新の内容は各サービスの公式の案内で確かめてください。
2. 入れてよい情報、入れてはいけない情報
いちばん大事なのがここです。たとえば、次のように分けておくと判断しやすくなります。
- 入れてよい:公開されている情報、社外に出しても困らない一般的な内容
- 入れる前に相談する:社内だけの資料、まだ発表していない計画
- 入れない:お客様や社員の個人情報、取引先から預かった情報、契約で外に出さないと約束している情報
迷ったときに誰に聞けばよいのかも、あわせて決めておきます。個人情報や契約の扱いは、会社の担当者や専門家に確かめてから決めてください。
3. 出てきたものを、誰が確かめるか
生成AIが出したものは、あくまで下書きです。社外に出す文章、数字が入る資料、事実を述べる内容は、必ず人が確かめてから使うことにします。「使った人が最後まで責任を持つ」と決めておくと、確かめる人があいまいになりません。
確かめるときは、とくに数字、固有名詞、日付、引用に気をつけます。もとの資料と照らし合わせられないものは使わない、と決めておくと迷いません。
4. 困ったときの相談先と、ルールの見直し
使っていると、ルールに書いていない場面が必ず出てきます。そのときに相談できる人と場所を決めておきます。あわせて、ルールを見直す時期も先に決めておきます。使い方が広がるにつれて、最初のルールでは足りなくなるからです。
生成AIを業務で使い始める進め方
ルールが決まったら、いきなり全社で広げるのではなく、小さく始めます。
- 使う仕事を1つ選ぶ:毎週くり返していて、時間がかかっていて、間違えても取り返しがつく仕事から選ぶ。会議メモの整理、メールの下書き、社内向け資料のたたき台など
- 使う人を決める:最初は数人で始め、使い方のこつを集める
- 効果を測る:その仕事にかかっていた時間が、どれくらい変わったか。質は落ちていないか
- うまくいった使い方を共有する:頼み方の例や、確かめ方のこつを、社内で見られる場所にまとめる
- 次の仕事に広げる:効果が確かめられたら、使う仕事と人を少しずつ増やす
小さく試して、効果を測って、広げる。この進め方は、AIの導入をプロジェクトとして進めるときの基本でもあります(→ AI導入が「試しただけ」で終わらないための進め方)。
よくあるつまずき
ルールが厳しすぎて、誰も使わない
心配な点を全部ふさごうとすると、使える場面がほとんどなくなります。「入れてはいけないもの」をはっきりさせたうえで、それ以外は使ってよいとするほうが、結果として安全に使われます。
導入しただけで、使い方を教えない
アカウントを配っただけでは、使う人と使わない人の差が広がるだけです。うまく使えている人の頼み方を共有したり、短い勉強会を開いたりして、使い方を広げる時間をとります。
担当者が決まっていない
ルールづくりも、使い方の共有も、見直しも、誰かが進めないと止まります。生成AIの活用を進める担当者を決め、何をいつまでにやるのかを決めておきます。始めるときに関わる人で集まり、目的と進め方を確かめておくと、途中で止まりにくくなります(→ キックオフで、これだけは決めておく5つのこと。)。
まとめ:安心して使えるルールから始める
生成AIを業務で使うときは、使うことを止めるルールではなく、安心して使えるルールから始めます。
- 使ってよいサービスと設定を決める
- 入れてよい情報、入れてはいけない情報を分ける
- 出てきたものは、使った人が確かめてから使う
- 相談先と、ルールを見直す時期を決める
- 1つの仕事から小さく始めて、効果を測ってから広げる
生成AIは、道具を入れただけでは定着しません。使い方を広げ、ルールを育てていく人と仕組みがあって、はじめて毎日の仕事に根づいていきます。
おまかせPMは、社内に進める人がいないプロジェクトを、進める役割ごとお引き受けするサービスです。生成AIの活用を始めたいけれど、進める人がいないときは、何から手をつけるかの整理から、ご相談ください。
生成AIのルールは、使うことを止めるためではなく、安心して使えるようにするために置きます。